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セントラル・バレー地方のテロワール
チリの中央部に位置しているのがセントラル・バレーと呼ばれるエリアです。
太平洋とアンデス山脈に挟まれており、非常に広い面積を占めています。
チリのブドウ栽培はこの地でスタートしたそうです。
ブドウ栽培にとって良い気候条件が整っていることも、その理由でしょう。
「テロワール」という言葉は聞いたことがありますか?
ワインの味を大きく左右する、ブドウを栽培するのに関わる環境を指す言葉
気候条件が整っていると言いましたが、この気候もテロワールの一つということになります。
例えば、寒暖差。
盆地になっているので昼間は暖かいですが、夜は風の影響でとても気温が下がります。
これはブドウが美味しく育つための条件の一つなんです。
山が多いことから標高の高い場所にブドウ畑を作ることもしやすかったセントラル・バレー。
標高の高い場所は水はけの良い土壌のところが多く、これもブドウがよく育つために必要なテロワールの条件となります。
セントラル・バレー地方で生産されているぶどうの品種
・マルベック
・メルロー
・パイス
・カリニャン
・シラー
以上が、黒ブドウ品種です。
フランスなどヨーロッパで栽培されている品種が多いですね。
フランスからワイン作りの技術やブドウ品種などが伝わったとあって、それが色濃く出ています。
・ソーヴィニヨン・ブラン
・シュナン・ブラン
・シャルドネ
以上が、白ブドウ品種です。
やはりフランス産の定番の白ブドウ品種が多く栽培されています。
比較的爽やかで、さっぱりとした香り高い白ワインになる品種のブドウが多い傾向が見られますね。
セントラル・バレー地方の主な生産地の特徴
画像引用元:https://diamond.jp/articles/-/157820
さらにワインの産地としていくつかのエリアに分類することができます。
各産地の特徴をチェックしてみましょう。
マウレ バレー
セントラル・バレーの最南端にある産地が「マウレ バレー」です。
チリ全体で見ても、最もワインを生産しているエリアとなっています。
冬にこそ雨がたくさん降りますが、ブドウの栽培から収穫時期にあたる夏には、あまり雨が降りません。
太陽の光が降り注ぎ乾燥するというテロワールを持っています。
これは美味しいブドウがたくさん育つために必要な環境と合致。
チリの半分の量のワインが作られているのも納得です。
マイポ バレー
セントラル・バレーの最北端に位置するのが「マイポ バレー」です。
フランスのワイン醸造家がブドウの樹を持ってきた地としても知られています。
このあたりはいわゆる地中海性気候で、暖かく過ごしやすい環境です。
雨の量もそこまで多くはないため、乾燥し、土壌の水はけもよくなっています。
良質なブドウが育つ条件は一通り揃っていると言えるでしょう。
クリコ バレー
クリコ バレーはマウレ バレーのすぐ上にあるエリアです。
雨は降りますが、マウレ バレーと同じように冬に集中します。
そのぶん夏は太陽が降り注ぐ日が多いため、やはりブドウの栽培や収穫にはとても良い影響を与える環境となっています。
クリコ バレーの東側は特にアンデス山脈があるおかげで冷たい風が通り抜け、気温が適度に抑えられます。
加えて石灰岩と火山岩の土壌に水分が過剰に残ることもないので、栄養価や味の凝縮した良質なブドウが育ちやすくなっています。
カチャポアル バレー
カチャポアル バレーというのは、ラペル バレーというエリアの中にあるワイン産地の一つで、北側に位置します。
海沿いの山とアンデス山脈の間にあり、いわゆる盆地の形状になっています。
そのため、昼間は温度が下がりにくいものの、山脈から冷たい空気が流れ込んでくるため、日が沈むと一気に冷え込みます。
この寒暖差は質の高いブドウが育つテロワールの条件の一つです。
乾燥しやすい気候もブドウの栽培に適しています。
カチャポアル バレーの中でも特に東寄りの地域は粘土質というよりも砂利質の土壌が目立ち、水分が溜まりにくい構造になっています。
この環境もブドウの味や香りに良い影響を与えてくれています。
コルチャグア バレー
コルチャグア バレーは、ラペル バレーの南側にあるワイン産地です。
すぐ北側にあるカチャポアル バレーと気候はとてもよく似ています。
昼と夜の気温差が大きく、芳醇な味と香りを持つブドウが育ちやすいテロワールとなっています。
しかし、カチャポアル バレーよりも海からの風が吹き込む地形になっているので、さらに気温が下がります。
非常によく肥えた栄養価の高い土壌があるのも、コルチャグア バレーの特徴ですね。
しかし、山の麓に行けば行くほど土壌が枯れていき、標高が高くなると乾いた土壌にブドウ畑が広がっています。
濃厚な味わいのブドウを作るためには乾いた土壌が必要なため、平野部から山へと近づくにつれ、ブドウの栽培に適したテロワールへと変化していきます。
ラペル バレー
カチャポアル バレーとコルチャグア バレーを合わせたエリア全体をラペル バレーと呼んでいます。
北部と南部で少々テロワールが異なるため分類されて語られることが多いですが、ラペル バレーが一つの重要なチリワイン生産地として捉えられることも多々あります。
北部も南部も昼間と夜間の気温差が激しく、ブドウにとっては素晴らしいテロワールを持っています。
チリワインの産地『セントラル・バレー地方』まとめ
- チリワイン誕生の地とも言われ、良質なブドウが栽培されるテロワールが整っているセントラル・バレー地方
- セントラル・バレーで栽培されるブドウはフランスの伝統的な品種が多い
- セントラル・バレーの最南端にありチリ最大のワイン産地であるマウレ バレーは降雨量が少なめ
- セントラル・バレーの最北端のマイポ バレーは暖かく乾燥しブドウ栽培に適した環境
- クリコ バレーの夏は雨が少なく日照量が多いので旨味が凝縮したブドウが育ちやすい
- カチャポアル バレーは昼夜の寒暖差が大きく良質なブドウが育つテロワールが整っている
- 気温が上がりにくく丘陵地は土壌が乾いているコルチャグア バレーもブドウにとってはベストなテロワール
- カチャポアル バレーとコルチャグア バレーを合わせてラペル バレーと呼んでいる

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